苦手です。

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「鳥類」が苦手です。とにかく苦手です。ダメなんです、鳥類・・・
子供の頃、図鑑を見るのは好きでしたが、鳥の図鑑を開くことは決してありませんでした。
日常的に最も困るのが鳩です。あのカタチ。胃袋にマッチ棒を付けたようなフォルムはこの世のものとは思えない。そしてあのグレー色。生き物なのに無彩色とはどういうこと!何よりあの警戒心のなさはもってのほか!!
しかし公園には必ずといっていいほど鳩がいるのであります。無邪気にもえさを与える人がいて、それはのんびり微笑ましい光景なのかもしれないけれど、わたしはそれを避けるように大回りして逃げるように歩きます。公園はちょっとしたアスレチックです。
観光地にも鳩は生息しています。一番恐ろしかったのはベネツィアのサンマルコ広場。あそこは私の人生の中で一番難関の鳩スポットでした。
とにかくいるいる、鳩だらけ。遠目には”地面がグレーなのか?それともグレーの水玉模様?”と思ってしまうくらい尋常ではない鳩の数。私の足はパタっと止まってしまいました。「もう帰りたい・・・」しかしその日はベネツィアにホテルを予約してあり、サンマルコ広場を通り抜けなければホテルに辿り着くことは出来ない。どうする、窪田晶子!
仕方がないので巻いていたストールを頭からすっぽり被り、同行していた人に手を引かれながら歩きました。
「今、目を開けたら気絶するから、もうちょっと頑張って!」
「何だか、足がざわざわするんだけど・・・」
「いっぱいいるからね。」
「こわ〜〜〜〜い!!」
大騒ぎの末に無事通り抜けました。
行きがあれば帰りもある訳で、再び冷や汗を流したのは言うまでもありません。
水の都ベネツィアは鳩の都でした。
もう行くまいと思いながら、その2年後に再び上陸・・・

鳥談義はまだあります。それはまた次回。