辛い一曲

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たまたまテレビをつけるとNHKの名曲アルバムでオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が流れていました。
単独で演奏されることも多いこの間奏曲はその美しいメロディーから様々な場面で使われ、耳にすることもしばしば。この曲を知らないなぁと思っている方もメロディーを聴けば「ああ、これね!」と思うはずです。
以前、このコーナーで“癒されない音楽”について書いたことがありますが、何を隠そうこの間奏曲は、私が癒されない曲のベスト5に入ります。(しかもかなり上位、たぶん1位か2位を争うくらいに)
「カヴァレリア・ルスティカーナ」はマスカーニ作曲のヴェリズモオペラ、愛憎劇のドロドロしたもので、とにかく主役のサントゥッツァがかわいそうなのです。恋人に裏切られ最後の最後まで救われない。裏切られたうえに責めたてられ、“もうサントゥッツァはこれ以上どうしたらいいの〜?”というところであの間奏曲が流れるのです。美しくもあり悲しくもあり・・・しかし重い短調ではなく、長調で書かれている。大声で泣きじゃくる人の顔が笑顔と見間違えてしまうことがありますが、まさにそのような曲です。あまりに辛い!
だからこの曲を聴くと胸を鷲づかみにされたような、いたたまれない、やるせない、泣きたい気持ちになってしまいます。
メロディーラインの優美さから、コマーシャルや店内で使われることもよくありますが、辛〜い気分になりその場を後にします。癒されない・・・

プッチーニ作曲のオペラ「トスカ」の有名なアリア“歌に生き、恋に生き”も同様。
この2曲が私の最も癒されない曲のトップを競っています。

もちろん、癒しの場でなければ、どっぷりとその曲の素晴らしさを堪能しますよ!