楽屋話

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「魔笛」をご覧下さった皆様、ご来場ありがとうございました!お楽しみいただけたでしょうか?公演からもう一週間が経とうとしています。本当にあっという間・・・忘れないうちにウラ話を。

ということで、楽屋や稽古でのことをちょっとお話します。
今回のオペラ「魔笛」は、“お姫様(パミーナ)”“王子様(タミーノ)”という美しい存在だけではなく、“夜の女王”やその“侍女”、“天使”といったファンタジックな感じの役もあり、また“ザラストロ”やその“家臣たち”など「ハリーポッター」を思わせるような多彩な登場人物がいました。そこで大変だったのはメイクさん。特殊メイクに近いくらいの役も多く、一人ひとりにかかる時間もかなりのもの。出演者もわりに多かったのでメイクさんは次々にテキパキと私達をその役柄に仕上げてくれました。
楽屋内は顔を真っ黒に塗られた人や、瞼がラメでキラキラしている人や、顔が真っ白の人などが同じテーブルを囲んでお茶を飲んだりしていて、日常では考えられない光景がそこには広がっているのであります。
そんな激しいメイクが多い中、ほっとするような“普通顔”メイクの役はなんと言っても“パパゲーノ”と“パパゲーナ”でしょう。役柄も非常に人間味に溢れています。もちろん“パミーナ”と“タミーノ”も普通顔ですが、こちらは“姫&王子”ということでちょっと高嶺の花という感じとでもいいましょうか、美しく彩られた存在で、ある意味浮世離れしているような・・・。
メイクしてもらうときはいつもワクワクします。次第に役柄に変身していく自分。普段は使うことの無い鮮やかな色が肌にのるとふわっと雰囲気が変わったりして、しかもそれがこの世の者ではない役だったりすると、変貌する自分の顔をみて「おお〜〜」と歓声をあげたり笑っちゃったり。

しかしメイク開始と同時に訪れる試練。それは外出不可能になること。舞台メイクで外を歩くことは出来ませんので・・・
「このメイクのままコンビニに行って“おにぎり温めてください”って言ってみたいね〜」などと話しながら楽屋でテーブルを囲み、お茶を飲んだり飴をなめたりご飯を食べたり。そうして太陽の光を浴びることなく、ホールでの一日が過ぎて行くのです。