かたじけない！！そんな時には・・

テレビショッピングのような書き出しになってしまいました。
さっそくですがその商品は「切腹もなか」。
以前ラジオで、羽田空港でひそかなブームだと聞いた事があり気になっていました。そのひそかなブームを作っているのは観光客ではなく“サラリーマン”。女性から生みだされたブームの華やかさとは違って何ともひそやかな予感・・・
先日、その「切腹もなか」にようやく出会いました。近頃、空港のお土産物のショップはとても盛況で、有名な店舗が多く入店し、限定品なんかを前面におしだして非常に活気があるのですが、そんな賑わいは別世界。航空機会社の売店に渋く並んでいました。
「切腹もなか」。そのお姿を説明しましょう。
最中の皮の間に溢れんばかりにたっぷりと粒餡が入っており、まるで腹が割れているよう・・・その風貌から「切腹もなか」と名づけられたとか。
製造しているのは新橋のお店。新橋といえばいわずと知れたサラリーマンの街。取引先にお詫びに出かける際、「大変申し訳ありません！切腹したいような気持ちでございます！！」という意を込め、これを持参したところ、妙に先方にうけて、みごと和解したという実例があるそうで、弱火ながらもひそかにブームに火がついたというわけです。
ようやく出会った「切腹もなか」。ちょうどその日は千歳空港からまっすぐ札幌室内歌劇場の稽古に向かう事になっていたので手土産に買っていこうかと思ったのですが、待て待て！やる気満々で行かねばならないのに「切腹もなか」とは、いささか縁起が悪いのではなかろうか・・・ということでやめておきました。持参する機会の無い事を願って、その場を立ち去りました。
ちなみに新商品も登場していて、「出世の石段」「景気回復もなか」もありました。

でも「切腹もなか」を差し出して、先方の怒りの火に油を注ぐ結果になってしまったサラリーマンもいるんでしょうねぇ・・・。