先日、ニュースでこのようなことが言われていました。
「アメリカのオバマ大統領が演説などでプロンプターを見過ぎている。」と。
“プロンプター”
これは、演説内容(台本)を映しているモノです。最近は日本でもよく使われていると聞きます。少々雑な言い方をすると、カンニングペーパーのような存在でしょうか。台本を映す機械のことを指すようになったのは世の中が便利になりすぎた最近のことで、もともとは「演技中の俳優がセリフを間違えないように、舞台の陰でセリフを付ける人」(広辞苑)のことを言います。
ということは・・・?
オペラの舞台にもプロンプターは居るのです!!(但し、わが札幌室内歌劇場にはいません。しっかり暗譜します!!)
さて、それではプロンプターは舞台のどこにいるのでしょう?
私はこれまで何度かプロンプターのいるオペラに出演したことがありますが、その時はこのような感じでした。
その1《舞台の床の部分からひょっこり顔をこちらに向けている》
もちろん観客席からは見えないようになっています。床に箱を置いたような恰好だったように記憶しています。プロンプもはっきり聞こえます。
その2《指揮者のすこし脇にいる》
この場合プロンプは聞こえにくいのですが、歌手は始めの言葉をもらうだけで芋づる式に歌詞が出てくることが多いので問題ありません。場合によっては母音をしっかりと口の形で読み取ることで十分だったりします。
海外のオペラハウスではプロンプターボックスが設けてあり、観客席にも聞こえるくらいにはっきりとプロンプしているそうです。観客も“そういうものだ”と承知しています。ただ今現在はどうなのかはわかりませんが・・・
このプロンプターという仕事は誰でも簡単にできるものではなく、音楽をしっかりと把握し、言葉を熟知していて、どのタイミングで合図を出すかを察知する能力が要求されます。すごい仕事ですね。誰にでも出来ない。ということで、日本では副指揮の方やコレペティトゥーア(練習ピアニスト)が担当することが多いそうです。
但し・・・どんな役にでもプロンプしてくれるわけではありません。それなりの重要な役のみです。
そういえば最近、眼鏡に文字が映るようにできるという技術が発表されたとか。知り合いの歌手が「コンタクトにプロンプターがあればいいのに」と言っていたのを思い出します。現実になるかどうか!
余談ですが、船場吉兆の謝罪会見。
母親に言われるとおりに謝罪したあの会見。
あの母親もプロンプター??