季節は巡る

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3月11日の震災から一週間後、私は「フォスター物語」の稽古のため、飛行機で北海道へ向かっていまいた。
その日は快晴。窓からの景色もきれいに見えていました。
 
飛行機がちょうど東北上空にさしかかったとき、
遠く空から見下ろす東北の景色はそれでもまだ緑多く、広大に感じられました。
しかしこの広大な土地が揺るがされた。
そして人々の生活も揺るがし、命をも飲み込んでいった。
空からは決して感じられない悲しい現実がそこには広がっている・・・
地球からみれば日本は小さな島国。
自然の、地球のエネルギーの前に人は非力なのだと見せ付けられた気がして胸が痛みました。
 
この一ヶ月間で街の様子はずいぶんと変わりました。
街だけでなく人々の心にも大きな影響がありました。
あらゆる情報に人々が敏感になっているのも確かです。
 
被災地を思う気持ちを忘れずに前へ歩んで行く。
最近よく耳にする「がんばろう日本」という言葉は、被災地を応援する私たちにかけられた言葉ではないかと感じます。
 
4月に入り、桜の開花宣言も各地から届く季節になりました。
どんなことが起きようとも季節は巡ってくるものです。
東日本大震災から今日で一ヶ月。
桜の淡いピンク色がふんわりと被災地を暖かく包み、
人々の心に少しでも安らぎをもたらしてくれるのはいつになるのでしょうか。
 
被害にあった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地の復興を願うばかりです。