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札幌室内歌劇場第26回公演 「フィガロの結婚」~たわけた一日~ ボーマルシェ原作 ダ・ポンテ台本 W.A.モ-ツァルト作曲 岩河智子訳詩・編曲 中津邦仁演出 ■日時: 2002年9月18日(水)18:30開演 2002年9月19日(木)16:00開演 2002年9月20日(金)18:30開演 ■ところ:札幌サンプラザホール(北24条駅 徒歩3分) ■料金:全席指定 一般6,000円、学生5,000円、支持会員5,000円、学生支持会員4,000円) ■チケット購入・お問合せ:オフィス・ワン 011-612-8696 ■主催:NPO法人札幌室内歌劇場 ■助成:三菱信託芸術文化財団、日本芸術文化振興会 ■後援:札幌市、札幌市教育委員会、北海道新聞社 ■協賛:札幌サンプラザ 出演■出演 声楽
■出演/室内楽アンサンブル
■コレペティトゥ-ア
公演スタッフ
解説 「フィガロの結婚」は愛の賛歌だ! 音楽監督 岩河智子 大学院の修士論文で「フィガロの結婚全曲アナリ-ゼ」という600ぺ-ジにわたる研究を書いて以来、折に触れて演奏したり舞台を観たりしてきたが、今回はますますモ-ツァルトの音楽にのめり込み、稽古では日々新たな発見をした。 まず感動するのは、モ-ツァルトが登場人物のキャラクターを音楽で表現したことの素晴らしさ。お小姓ケルビ-ノの「自分で自分がわからない」というアリアは、フォルテとピアノが激しく交替し、長いメロディ-に急に次の短いメロディ-が割り込んでくるなど、ブレ-キとアクセルを交互に激しく踏んで暴走するような音楽。まさに、恋の熱病に冒され困ったプレイボ-イ、ケルビ-ノそのものだ。 また、2幕冒頭で歌われる伯爵夫人の登場のアリア。それまでのどの曲にも見られない豪華な響き、そして悲しみを秘めてしずしず歩くような音楽の二つの要素が感じられる。なにひとつ不自由の無い伯爵夫人という地位でありながら、夫の愛が離れてしまった悲しさをこの短いアリアがドンピシャリと表している。 モ-ツァルトの音楽で更に素晴らしいのは、大勢の人物がからみ合うアンサンブル。中でも2幕フィナ-レは、音楽の起伏で物語をぐいぐい進めてゆく素晴らしいものだ。激しく言い争う伯爵と伯爵夫人の喧嘩から始まり、機転を利かせたスザンナの登場で一件落着ム-ドと思いきや、フィガロが登場し、またしても混乱。最後はトドメを刺しにマルチェリ-ナたちがフィガロの借金の契約書を振りかざして乱入してくるのだ。青ざめるフィガロ軍。 それをしり目にほくほく顔の伯爵軍。2種類の音楽が同時に歌われる。観る人はきっと激しいジェットコ-スタ-に揺さぶられているような気持ちを味わうことだろう。 さて、この物語は、フィガロとスザンナとの結婚式でハッピ-エンドに終わるのではないというのも面白いことだ。結婚式は3幕の終わりに置かれ、つづく4幕でもう一波乱ある。 フィガロとスザンナは結婚式に至る沢山のハ-ドルを超えてきたが、4幕ではお互いの愛を信じられなくなるという最後の試練が待っている。 フィガロはスザンナが伯爵と浮気をしたと思い込み、またスザンナは、フィガロをわざとやきもきさせたり、あげくの果ては、フィガロが伯爵夫人に求愛していると思い込み、泣きわめきながらなぐりつけるのだ。 すべての誤解が解け、本当にかたく結ばれるフィガロとスザンナ。そして、伯爵夫人の捨て身の愛情に気付き、破綻した結婚生活をもう一度やり直そうと誓う伯爵。この二組のカップルが誕生したとき、ふと気付くと、傍らにはケルビ-ノとマルチェリ-ナという年若いカップル、そしてマルチェリ-ナとバルトロというフィガロの親たちのカップルも生まれている。4世代8人のカップルが勢ぞろいして歌い上げる大団円は誠に感動的だ。人は、愛を育て、壊し、また修復して一生を送ってゆくのかと人生の縮図をみる思いがする。
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