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第702回札幌市民劇場/札幌室内歌劇場第6回公演/札幌市民芸術大賞受賞 「エヴゲニ-・オネ-ギン」~ある青春の情景~ 原作/アレキサンドル・S・プ-シキン作曲/ピョ-トル・I・チャイコフスキ- 訳詞・編曲/岩河智子、演出/中津邦仁 ■日時: 1992年9月7日(日)18:30開演 1992年9月8日(月)18:30開演 ■ところ:札幌市教育文化会館小ホ-ル(地下鉄東西線西11丁目下車) ■主催:札幌市民芸術祭実行委員会、札幌市、(財)札幌市教育文化財団 ■主管:札幌室内歌劇場 ■後援:札幌市教育委員会、北海道二期会、音楽家協会、北海道新聞社 出演■出演・声楽
■出演・室内楽アンサンブル
スタッフ■スタッフ
■Special Thanks
今回の上演について 今回札幌室内歌劇場が取り上げましたのは、来年没後100周年を迎えるチャイコフスキ-作曲のオペラ「エヴゲニ-・オネ-ギン」です。これは、当時人気の高かったロシアの文豪プ-シキンの韻分詩をもとに作られたものです。ところが、この作品はそれまでの多くのオペラの原作と異なり、起伏にとんだドラマティックなスト-リ-ではないため、多くの人がチャイコフスキ-のこのオペラを否定しました。チャイコフスキ-はそれに対抗し、「エヴゲニ-・オネ-ギン」をオペラとは呼ばず、「叙情的情景」と名付けました。これは、作品の中にドラマティックな事件を見るのではなく、人間個々の心のあやを見ようとする、歌劇としては新しい傾向を出現させるきっかけとなりました。 札幌室内歌劇場では「エヴゲニ-・オネ-ギン」を3人の若者の情景として捕らえ、各幕ごとに一人ずつ、その内面を表すように考えました。あらすじにありますように、プロロ-グ後の第一幕はタチアナの失恋の物語であり、第二幕はレンスキ-の激情、大三幕はタチアナやレンスキ-に非人間的に接してきたオネ-ギンが、初めて人間的な感情に目覚めると同時に悲しみを味わう物語という構成です。 このオペラは、多くの場合写実的なグランドオペラとして上演されますが、札幌室内歌劇場では全体の構成と要素を端的に表してゆくために象徴的な場面処理を織り交ぜながら、簡素な舞台で上演することにいたしました。そういった方針のもと、連日の稽古で私達が感じたのは、作品の良さはもちろんのこと、このオペラの人の心を描いた繊細な魅力です。また、ロシア人的な強い声でなければ上演できない等という芸術的でない先入観も再検討しなければならないと感じました。私達の上演が、オペラ「エヴゲニ-・オネ-ギン」の魅力を再発見しポピュラ-なものにする契機になればと思います。 小劇団である札幌室内歌劇場の利点を生かして作り上げました本日の繊細な舞台をどうぞごゆっくりお楽しみください。 |
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