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札幌室内歌劇場第10回公演 「家庭争議」本邦初演オペラ 作曲/F.シュ-ベルト、構成・編曲/岩河智子、演出/中津邦仁 ■日時: 1994年9月18日(日)14:00開演 1994年9月19日(月)18:30開演 ■ところ:札幌サンプラザホール(北24条駅 徒歩3分) ■料金:前売3,500円、支持会員券3,150円、ペア券6,500円、当日券4,000円 ■チケット購入・お問合せ:オフィス・ワン 011-612-8696 ■主催:札幌室内歌劇場 ■助成:札幌市 ■後援:北海道新聞社、道銀文化財団、北海道二期会、音楽家協議会 ■Special Thanks:ひかり幼稚園、札幌大谷短期大学、札幌大谷高等学校、白戸晴美様、東京衣装 出演■出演声楽
■出演・室内楽アンサンブル
スタッフ
あらすじ とある中世の都市。全ての男達が伯爵(則竹)に率いられて戦争に出かけている中、伯爵夫人(遊佐)の呼びかけに女たちが集まり、ある計画を企てた。女の力で戦に明け暮れる男たちを屈服させ、戦争を止めさせようというのだ。結婚したものの初夜も迎えず夫アストルフ(浅里)を戦場に送り出した新妻ヘレネ(萩原)や他の女たちも伯爵夫人の提案に賛同し、男たちが「戦争を放棄し、家庭を大切にする」と約束するまでは、抱擁どころかキスひとつさえも拒否すると誓い合う。 男たちの帰還を前に一足先に帰っていた小姓のウドリン(石田)は、女たちの計画を知ってしまう。今回の帰還で結婚を約束されている彼の恋人イゼラ(時岡)は、この計画に協力してくれるよう頼むのだが、ウドリンは伯爵に報告してしまう。そして、女たちの計画を知った伯爵は、そのセックスストライキ計画に対抗するために、女たちに再会しても彼女ら以上に冷たく無視することに決める。男達は勝利を祈って気勢を上げる。 反目しあう伯爵と伯爵夫人のために、期待していた結婚を延期させられてしまったイゼラとウドリン。二人はこの「身も心も切ない戦争」を終わらせようと知恵をめぐらすのだった。 作品について●1823年/作曲 ●1861年3月/ウィ-ンにて、初演 ●1861年8月/フランクフルトにて舞台初演 ●1993年11月27日/日本にて、演奏会形式初演:於札幌「札幌シンフォニエッタ第14回定期演奏会with札幌室内歌劇場」 ●1994年9月18日//日本にて舞台初演:於札幌「札幌室内歌劇場第10回公演」 この作品はシュ-ベルトの生前には上演されなかったオペラです。歌曲王としてロマンチックな作品を多く残したシュ-ベルトに似合わないエロチックな喜歌劇のせいでしょうか、現在も上演されることが少ないようです。 私たちは、そのシュ-ベルトらしからぬという点にこそ注目し、大胆にも自分達の手で、 この「家庭争議」を現代に通用するオペラにしょうと思い取り組むことにしました。 そこでまず行ったのが、台本の翻案です。元はジングシュピ-ルとして作曲されているため、歌と歌の間が台詞でつながっています。その台詞というのが、現代では少々理解しにくい展開になっていたり、何より旧弊な女性観に基づいているため、書き直さなければ現代の皆様に受け入られないと思ったのです。今回、歌以外のレチタティ-ヴォ部分は、当会の翻案台本作曲によるものです。 次に、歌劇作品としての音楽の比重を高めることにしました。歌曲王シュ-ベルトは、やはり歌劇はあまり得意ではなかったのでしょう。元々の各アリア、重唱だけでは、音楽による表現の量が不足がちなのです。そこでシュ-ベルト自身の膨大な数の歌曲から10曲選び、序曲や、レチタティ-ヴォのBGMや挿入歌として取り入れました。シュ-ベルトの歌曲を良くご存知の方には、歌曲がどのように利用されているかも、お楽しみいただけるのではないでしょうか。 オリジナルの「家庭争議」に比べ、曲数・上演時間と共に倍になったこのたびの上演は「札幌室内歌劇場版「家庭争議」」と言った方が良いのかも知れません。しかし、現代の私たちなりの工夫をくわえることでこそ、シュ-ベルトがこのオペラに託した思いを一層明らかにできたと思っています。 |
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